【音楽】名曲・名演セレクション その132 Cloud Nothings / Wasted Days (Live)


Cloud Nothings - Wasted Days (Live on KEXP)

 Cloud Nothingsの2nd“Attack on Memory”(日本語版Wikipediaは2ndとしてますが、英語のWikipediaでは3rdとなってます。そんな風で良いのか)の2曲目。

 Cloud Nothingsは米Cleveland出身のDylan Baldiを中心とする4人組ロックバンドです。元々はDylanの1人宅録ユニットで、Dylanはオンライン上にいくつもフェイクのバンドをでっち上げては曲をアップしてたらしいのですが、そのバンド名の1つがCloud Nothingsとの事。だから最初っから複数形だったという事ですかね。でそのデモが一部で注目を集めWashington D.C.拠点のインディーレーベルであるCarpark Recordsと契約。でライブ活動をするためにメンバーを集めバンドに移行、それと並行してアルバムリリースを続け、2012年発表の今回取り上げるSteve Albini録音の2nd“Attack on Memory”がPitchforkで10点満点中8.6点(これは大体年間ベスト10くらいの評価だと思います)を獲得するなど高評価を集め、現在に至るという感じです。今年bandcamp限定でアルバムをリリースしてましたが、来年の初め、再びAlbini録音のニューアルバムを出すらしいです。

 でCloud Nothingsの音楽性ですが、オルタナティブ、ハードコア、フックの利いた楽曲、そして後ろ向きの歌詞という感じで、まぁ一部の人々には刺さりまくる感じですね。確か昔、Dylan Baldiが影響を受けたバンドとしてWipersとか名前を挙げてたと思います。WipersというとNirvanaもカバーした80~90年代のハードコアバンドですね。であと実は私がCloud Nothingsを聴き始めたきっかけはSyrup16gの五十嵐が最近のお気に入りとしてCloud Nothingsを挙げてた事なんですよ。まぁそういうバンドという事ですね。

 で‘Wasted Days’です。私はこの曲が間違いなく彼らのベストだと思います。‘I thought I would be more than this’、私みたいな一部の駄目人間には正に心の叫びという感じだと思います。一応書いておくとインプロパートでDylanが足元の機材を弄ってシュワシュワ言わせているのは、ディレイペダルの発振プレイですね。エレキギターのインプロではまぁまぁ良く使われる手です。他の例だとRadioheadの‘Karma Police’のアウトロのEdが出してるアレも発振ですね。‘Karma Police’は発振がアレンジとして使われている珍しい例ですけど。にしてもこんな超名曲を長いとかそんな下らない理由で楽しめないとしたら、勿体無い事だと思いますがね。