【音楽】名曲・名演セレクション その270 Prefuse 73 w. School of Seven Bells / The Class of 73 Bells

 Prefuse 73の4thアルバム “Preparations” の4曲目。

 Prefuse 73は米Atlanta出身のミュージシャンであるScott Herrenが行うプロジェクトの中でも最も有名なもの。ざっくり分けるとエレクトロニカというAphex TwinとかBoards of Canadaとかと同じテクノのジャンルに属するんですが、Prefuse 73はその中でもHip Hop的なアプローチをより顕著に取り入れている事が特徴です。最も有名なのがボーカル・チョップと呼ばれる技法を発明した事ですね。ボーカリストなどの声や歌を切り刻んで、並び替えたりピッチを変えたりして新たなメロディを作り出すテクニックの事を言います。最近はメジャーな音楽でも普通に使われてますよね。なんですけど、個人的にはあんまボーカル・チョップ使ってない “Preparations” が氏の作品では一番好きです。作品の特徴としては生楽器の多様ですね。元々Prefuse 73以外にも使ってる多くの別名義では生楽器的な音楽もやってた人なんですけど、今作ではそれまでエレクトロニカ的な手法を貫いていたPrefuse 73の作品に生楽器を大々的に導入しました。その生楽器によるサイケデリックサウンドとHip Hopのビートが混然となって絡み合うのが本作の妙ですね。でこの楽曲でボーカルをフィーチャーしてるのはSchool of Seven BellsというNYのバンドです。双子の美人姉妹がツインボーカルというキャラの立ったバンドで、その片方とHerrenが婚姻関係にあるってのもあっての起用だったかと思いますが、残念ながらバンドはメンバーの病死などあり活動終了しております。ミステリアスなボーカルが合ってますよね。

 

 次回の定期更新は普段より一週間更に開けて三週後の予定です。