【音楽】名曲・名演セレクション その236 The Dream Syndicate / Tell Me When It's Over

 Twitterの方には書きましたが、今週末は特に取り上げたい作品が無いので、洋楽アルバム全曲試聴の記事はお休みします。御了承願います。

 

 The Dream Syndicateの1stアルバム “The Days of Wine and Roses” の1曲目。

 The Dream Syndicateは米Los Angels出身のロックバンドで、1981年結成、'89年に解散、2012年に再結成して現在まで活動継続中。ペイズリー・アンダーグラウンドと呼ばれるシーンの代表的なバンドでした。ペイズリー・アンダーグラウンドとは'80年代のLAで盛んだった音楽シーンで、The Byrds、Loveなどなどの'60年代のサイケデリックなロックをパンク以降である'80年代的視点から再解釈した音楽スタイルが特徴的でした。代表的バンドはThe Bangles、The Three O'Clock 、Rain Parade、そして今回御紹介するThe Dream Syndicateなどです。R.E.M.はAthens出身なんでペイズリー・アンダーグラウンドのバンドには含まれないのかもしれませんが、'80年代の彼らはそれらと共通する音楽性を持っていたと言えようかと思います。このThe Dream Syndicateは特に、The Velvet Undergroundからの影響が色濃く感じられますね。上の楽曲でのヴォーカルSteve Wynnの第一声なんてモロにLou Reed。他にもアルバム各楽曲でのジャキジャキしたリズムギターはVUマナーを感じさせるところです。海の向こう英でも近い時代に、Echo and the Bunnymenなんかのネオ・サイケデリアと呼ばれたバンドがVUの影響を受けたロックを奏でていた事を考えると、なかなか興味深いですよね。ただThe Dream SyndicateはBunnymenなんかと比べてもいかにもLA的なレイドバックした感覚があって、そこは彼らの特徴かと思います。

 ペイズリー・アンダーグラウンド・シーンが他のフィールドに与えた影響としては、まず同時代のPrinceが挙げられますね。1985年のアルバム “Around The World In A Day” はペイズリー・アンダーグラウンドのバンド達からの影響があった事をPrince自身が公言しており、また同時期に彼が設立した音楽レーベルの名前はPAISLEY PARK、という事で、相当好きだったっぽいですね。後世のペイズリー・アンダーグラウンド・シーンから影響を受けたバンドだと、Mazzy Star、Mercury RevGrandaddyといったところが挙げられます。

 

 来週再来週は年の暮れという事で、今年特に聴いた曲、印象に残った曲を御紹介する予定です。