【音楽】名曲・名演セレクション その224 Echo and the Bunnymen / Over the Wall

 Echo and the Bunnymenの2ndアルバム “Heaven Up Here” の3曲目。上の動画はTV出演時の映像にアルバムの音源を合わせたもののようです。

 Echo and the Bunnymenは英Liverpool出身、'80年代のニューウェーブを代表するロックバンドです。元々はドラムレスの3人組でEchoというドラムマシンを用いていたのでこういうバンド名にしたらしいのですが、ドラムが加入しEcho君とはサヨナラ、4人組として1987年のGt. / Vo.担当Ian McCullochの脱退まで活動しております。このIan脱退まで、5thアルバムまでが一般にBunnymenの最盛期とされるかと思います。その後の活動についてはちょっとややこしいので、気になる方はエコー&ザ・バニーメン - Wikipediaを読んで頂きたいのですが、現在もIanとGt.担当Will Sergeantの2人で活動しています。音楽性としては当時ネオ・サイケデリアなどと呼ばれていました。The Velvet UndergroundThe Doors、Televisionなどの影響を受けつつ、Will Sergeantの空間エフェクトを巧みに使った、絵を描くような抽象的なギターが独自の個性となっておりました。ちなみに'80年代前半というと、空間系のエフェクトペダルが広く普及し始めたくらいの年代になるかと思います。彼らの歩みはそういう機材の進歩とも足並みを同じくしていたという事ですね。

 でBunnymenのベストアルバムはどれかとなると、1stから4thまでの4つの候補でファンが揉めるという感じかと思うのですが、私はこの2ndアルバム “Heaven Up Here” を推します。1stアルバム後のツアーを経てバンドの演奏力が強化、音楽性はよりサイケデリックな深みを増し、更にTalking Headsから影響を受けてアフロ・ファンク風のビートの導入、そしてIan McCullochのヴォーカルはますます偉そうになるといった感じです。何と言ってもタイトルが “Heaven Up Here” ですからね。当時の絶頂感がよく分かるかと思います。サイケデリックサウンドに切り込むような鋭いカッティングが良いですよね。迸るような緊張感です。私的にはもっと再評価されてしかるべきバンドだと思うんですけどね。本当カッコいい。