【音楽】名曲・名演セレクション その186 Public Image Ltd / Flowers of Romance

 Public Image Ltdの3rdアルバム “The Flowers of Romance” の4曲目。

 Public Image Ltd、略称PiLは英のポストパンク / オルタナティブロックバンド。The Sex PistolsのJohnny Rottenがグループ脱退後にJohn Lydonと名乗りを変え、元The ClashのギタリストだったKeith Levene、レゲエ好きの趣味を同じくしていた友人Jah Wobbleなどと共に結成。レゲエやダブの影響を咀嚼し過激に味付けしたポストパンサウンドでシーンを先導し、特に初期の三作はエクスペリメンタルなロックを志向するリスナー / ミュージシャンから高い評価を受けています。メンバーチェンジや長期の活動休止期間を経て現在も活動中だと思うんですが、最近はJohn Lydon認知症の奥さんの介護で大変らしく。どうなんてんのかな。

 で3rdアルバム ““The Flowers of Romance” ですが、PiLのディスコグラフィーの中でも特に過激な方向に振り切れた作品となっています。このアルバムの制作前にベース担当Jah Wobbleが脱退してしまい、それならばベースレスで作ってしまおうという事で、トライバルなズンドコドラム (Peter Gabrielの3rdアルバムのドラムサウンドから影響を受けたらしい) を基軸にJohn Lydonの怪鳥ボーカルがアラビアンな旋律を歌い、更に怪しい弦楽器サウンドサウンドコラージュなどを上乗せするという、とにかくひたすら不穏な作品です。所属レーベルのVirginも発売を渋る程の作品だったんですが、意外と売れててUKアルバムチャート最高11位だったらしいです。何となく買って聴いてみてビビったキッズがきっと沢山いたんでしょうね。

 あとこの作品についてはインパクト満点のジャケも忘れられないところです。The Birthdayのシングルでチバが真似してますね。

 これです。ジャケットの女性はJeannette Leeという方で、マネージャーを経て当時PiLのメンバーだったらしいです。といっても特に活動への貢献があった訳では無く、John Lydonの精神的支えみたいな感じだったらしい。なんですがJohn Lydonとケンカして脱退、で紆余曲折経て現在はRough Trade Recordsの共同オーナーを務めているとの事。詳しくは以下のリンクを御参照下さい。

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