【音楽】名曲・名演セレクション その143 諭吉佳作/men / 水槽のガラスだけだよ

 分かりにくい表記ですみません。諭吉佳作/menがアーティスト名で、‘水槽のガラスだけだよ’が曲名です。このブログでも色々マイナーなバンドなど御紹介してきましたが、自主製作も含めて自分名義でのCDリリースがまだ皆無というのは初めてですね。あと今回はsoundcloudのリンクを貼ります。一曲だけ聴くのには良いんですが、ボリューム調整が付いてないんですよね。基本ボリュームデカいのに。なんですみませんが、音量の調整はsoundcloudのリンク開くかご自分のお手元での調整でお願いします。

 

  諭吉佳作/menは2003年生まれ、静岡県出身のSSW。静岡県というと‘むげん・’でコラボした崎山君もそうですね。どうなってんだ静岡県。不思議なアーティスト名は、母親の名前を入力する際に「諭吉 佳作」と入力していたのを気に入って採用(だからお母様は諭佳さんなんでしょうね)、そしてファッションブランドのメンズラインの様な洗練感を出したくて、/menと付けたとの事。上に書いた通り自身名義でのCDリリースはまだですが、コンピレーションへの参加やでんぱ組.incへの楽曲提供などのキャリアはあります。詳しくは

諭吉佳作/men - Wikipedia

 をどうぞ。あとはてなブロガーでもいらっしゃるみたいで。

諭吉佳作/menたち

 こちらですね。私も見つけて早速読者になりました。

 諭吉佳作/menは元々iPhoneGarageBandで楽曲制作をしていて現在はMacBookでの制作に移行したらしいんですが、この‘水槽のガラスだけだよ’はまだGarageBandで制作をしていた頃の楽曲になります。いや、GarageBandでこれだけやれるんですね。一聴してすぐ分かるのが楽曲の完成度の高さですね。ドラムの打ち込みも凄く凝ってる(ボサノバのリズムらしいです)し、コインをコップに落とした音をサンプリングするなんてアイデアも秀逸。そして歌の存在感ですね。ただ歌唱力が高いというだけでなく、何と言うか色気があるんですよ(とか10代の少女にオジサンが書いたらセクハラでしょうか。…すみません)。「歌ってみた」動画などから音楽への興味を持ち、今の音楽観を形成するきっかけになったのがCorneliusとの出会いらしいんですが、そういった音楽的な経緯が上手く歌の魅力に結びついていると感じます。

諭吉佳作/menとは一体何者か? 謎めいたキャラクターとマニアックな音楽性に包まれたシンガーソングライターに迫る | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス

 このインタビューで面白かったのが、

変な言い方ですけど、消費されたいのかもしれなくて。あと、想像してもらえたらいいと思っていて。二次元ってことで言うと、アニメとかで二次創作ってあるじゃないですか。そういうものの対象になりたくて。

  という発言でした。私の感想としては諭吉佳作/menの中では「消費されたい」よりも「想像してもらいたい」の方が大きいのかなと感じます。いや、こう言っちゃなんですけど、難解な抽象的歌詞と言い、曖昧なムードを絶妙に伝えるトラックと言い、単純に消費されるには音楽性が高度過ぎるんですよ。そういう消費されるのに向いたキャッチーな方向に行かないのは多分、自分がクリエイトする物に対する要求水準の高さ(まだ自分名義のCDを出していないのもそこからかなと思います)と、分かりやすい物よりも聴き手の想像を誘うような物を発表したいという事でないかと。まぁある意味昔からのアーティスト像に近い物ではあるんですが、現代のインターネット・同人文化で味付けしてちょっと違う風味になってる感じですかね。最後に近況について、soundcloudの更新は最近無いようですが、現在も新曲制作中、それも今までとは少し違う感じの曲になってるらしいので、その発表を楽しみに待ちたいと思います。