【音楽】名曲・名演セレクション その123 Bob Dylan / Blowin' in the Wind


Bob Dylan - Blowin' in the Wind (Audio)

 下のバーに英語の歌詞を表示するボタンがあると思うので、良ければ使ってみて下さい。

 Bob Dylanの2ndアルバム『The Freewheelin' Bob Dlyan』の1曲目。シングルカットもされてます。Peter, Paul and MaryのカバーによってDylanを一躍有名にした一曲ですね。アメリ公民権運動の賛歌ともされているそうです。

 Bob Dylanはご存知ノーベル文学賞を受賞した米のフォークシンガーですね。Bobは出生名Robert Allen Zimmermanから、Dylanは詩人Dylan Thomasからとされています。ひょっとしたらこの曲のようにプロテストソングばかり歌ってる人と勘違いされてる方もいらっしゃるかもしれませんが、寧ろ婉曲的な社会批評であったり、あるいは私小説的な世界観の赤裸々な表現であったり、そういうプロテストソング以外の表現の方がメインと言って良いかと思います。そういう意味ではこの曲はひょっとしてDylanの中ではマイナーに属する類の曲と言っていいかもしれません。私のイメージではDylanの歌詞ってこんな分かりやすくないんですよね(時々ひどく赤裸々な歌詞もありますが)。イメージ豊かなのは変わらないんですけど、もっとリスナーに真意を易々と掴ませないような。例えば「Like a Rolling Stone」も根無し草的な人生賛歌なのか、あるいは人生の落後者を罵倒してるのか、どっちかよく分からなかったりするじゃないですか。その点この曲は何が言いたいのかまだ分かりやすい。まだ詩人として表現を熟成させる前、あるいはメディアからスターとして偶像視されるようになる前の素直な表現と言えるのかと思います。あとDylanと言えば、その声とハーモニカですね。私は正直ちゃんと歌詞を勉強してから曲を聴くような真面目なリスナーでは無いんですが、Dylanの特徴的なしゃがれた声と必殺ハーモニカだけでお腹一杯になれます。

 Dylanに関しては他にも色々取り上げたい曲があったのですが、今回は時節的なマッチングを考えてこの曲としました。できれば何か機会を作って他の曲も紹介したいですね。私はアルバムだったら『Blood on the Tracks』とか好きなんですよ。