このシリーズ、久しぶりですね。別にCD買ってなかった訳では無いんですが。まぁ新しい音楽聴いても何となく筆が進まない事もあるんですよ。極端に良かったり悪かったりすれば書く事もあるんですが、それなりだと書く内容に困る訳です。
- アーティスト: THE 1975,マシュー・ヒーリー,ジョージ・ダニエル,ロス・マクドナルド,アダム・ハン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2018/11/30
- メディア: CD
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以前あまりピンと来ないと書きましたが、何回かYouTubeでビデオ観てる内にこれは良いかもと思い直して買った次第です。
英のバンド、The 1975の3rdアルバム。何でもこれは二部構成の前編らしく、続編は今年出すらしいです。どっかでこのアルバムを2010年代におけるOK Computerみたいな事を書いてるのを見ましたが、私はあんまりそんな感じはしないですね。9曲目のインスト風モノローグなんかは明らかにFitter Happierを意識したのかなって感じですが、他はあんまり。OK ComputerはThom Yorkeの強迫観念とか性格の悪さ、ブラックジョークとかが全体を貫くトーンになってますが、このアルバムはそういう荒んだ感じはしないですね。寧ろ聴いてると、ヴォーカルのMatthew Healyって人は良い人なんだろうなという印象を受けます。まぁOK Computerはクールブリタニアとか言って浮かれてた時代にあのアルバムを叩きつけたから意義があるのであって、世界中が混沌としてる現在に同じ事をしてもあまり意味は無いのかもしれない。このアルバムが時代の処方箋にはならないかもしれませんが、鎮静剤としての役割は果たしてくれるのかなと思います。であとこのアルバムの音楽的先進性ですが、正直良く分からんですね。これが今カッティングエッジな音楽なんですかね?あらゆる音楽が並列化していく中で前衛も埋もれてしまった感があるんですが、まぁ取り敢えず面白いです。
という訳で結論:なかなか良い。お勧め。
次に紹介するビデオはカラフルな点滅のシーンがあります。必ず明るい環境下でご覧下さい。特に小さなお子様と一緒の時は必ず!
Ex:Re [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (4AD0132CDJP)
- アーティスト: EX:RE,エクス・レイ
- 出版社/メーカー: 4AD / BEAT RECORDS
- 発売日: 2019/02/01
- メディア: CD
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英のバンドDaughterでVo. / Gt.担当のElena Tonlaによるソロプロジェクト。ちなみにEx:ReというのはRegarding Ex、元カレについてやX Rayといった言葉と掛けているとの事。
バンドやってる人のソロプロジェクトというとバンドでは使えない音を色々と取り入れるというのが一つの典型でありまして、このアルバムもチェロや打ち込みなど色々と試しているのが聴けます。ただ瞬間瞬間の音の数は多くなく、内省的なムードが形成されています。私は実はDaughterってバンド殆ど聴いた事無いんですが、多分この辺はDaughterのファンの方も違和感無く聴けるのではないでしょうか。でこの作品の歌詞、上にRegarding Exと書いた通り元カレと別れて云々というのが中心らしいのですが、作品全体としてはメランコリーを抱えつつもそれを客観視したかのようなちょっと突き放した感じ、クールな雰囲気が感じられます。まぁこれがElena Tonlaという人の個性なのかなという感じです。であとはRadioheadの作品に参加したチェリストを起用したり、2曲目のコードがかなりJeff BuckleyのGraceっぽかったりする所からも、今作で目指したサウンドが見えてくるのではないでしょうか。
結論:なかなか良い。夜にしっとりと聴きたい。