【音楽】名曲・名演セレクション その292 T. Rex / Cosmic Dancer

 今回は今年よく聴いた楽曲、洋楽編です。

 

 T. Rexの6th (バンド名変更してからは2作目) アルバム “Electric Warrior” 他収録。

 T. RexはギターヴォーカルのMarc Bolanを中心とした、グラム・ロック・シーンをDavid Bowieなどと共に代表するグループです。子供の頃からロック少年でレコード会社への売り込みやグループ参加など積極的に行っていたMarcが音楽誌にメンバー募集を送り、それに応じたメンバーで1967年にTyrannosaurus Rexという名義でグループ結成されたのが始まりです。当初はサイケデリックなフォークという路線でカルト的な人気を得ていたたのですが、1970年にエレキギターを導入する共にグループ名をT. Rexに変更、ポップなシングル曲を次々とチャートに送り込むようになり、大ヒットを連発、時代の寵児に上り詰めました。でアルバムではこの “Electric Warrior” で初の全英1位を記録したんですけど、今回取り上げる ‘Cosmic Dancer’ はフォーク時代を思い出させるような楽曲ですね。アレンジは豪華なんですけど、中空に漂う虚ろな感じというか、何か聴いてて寂しくなる感じが癖になります。Marc Bolanの有名な逸話で「自分は30歳になるまで生きられないだろう」と言ってて本当に30歳になる2週間前に交通事故死したってのがあるんですけど、一方でゴリゴリにポップなグラム・ロックを演奏しておきながら、もう一方でこの生に対して希薄な感じ (それこそ ‘Life's A Gas’ という楽曲も “Electric Warrior” には入ってます)、何と言うか不思議な人ですよね。