【音楽】名曲・名演セレクション その285 aiko / 花火

 aikoの3rdシングル。2ndアルバム “桜の木の下” 他収録。

 aikoは日本の女性SSW。1998年デビューなんでもう結構なベテランですね。恋愛ソング愛好家から音楽マニアまで多様な層を引き付けるその音楽性は、強い独自性を放っております。その辺は初期の代表曲であるこの ‘花火’ にも表れてるんですが、まず歌詞ですね。「夏の星座にぶら下がって 上から花火を見下ろして」とかよく思い付きましたよね。他にもaikoは恋愛の諸相を独自の表現で描くような歌詞が多くて、その辺が恋愛ソング好きにとって特別感を与えてるのかと思います。次に音楽性の方ですね。これに関して、この ‘花火’ のコード進行を解説した記事を見つけたんで御紹介します。

花火|コード進行とコード進行分析|aiko | 音楽理論はいらない!?

 私は音楽理論に関しては一応ダイアトニックコードだけ分かってるという人なんですが、正直このコード進行は訳分らんですね。使ってる個々のコード自体はそんなややこしいのは使ってないと思うんですが、全体の進行がダイアトニックコードという基本的なルールを逸脱しまくってるんですよ。「え、そこコード半音下がるの!?」とか「え、そこマイナーコードじゃなくメジャーコードなの!?」とかそんな感じ。こんだけ尖ったコード進行しときながら全体的な印象としてはスムーズなポップソングとして聴かせるってのが凄いですよね。何でもaikoは実は感覚派らしくて、邦楽洋楽様々な音楽を日頃聴きこんでインプットしつつ、先に書いた詩に合わせて頭の中で鳴ってる音をそのままアウトプットして、最初は音と音がぶつかったりしてるらしいのですが、そこから手を加えて最終的にはポップソングに仕上げてるらしいです。先日もXで音楽理論の要不要みたいなのがバズってたみたいですが…aikoみたいに感覚で勝負できる特異な音楽家は別に音楽理論要らないのかもしれない (つってもaiko大阪音楽大学短期大学部というところを卒業してるらしいので、多少は音楽理論に関する知識もあると思いますが) ですが、それ以外の大多数は、その「感覚」を言語化して自分のものにするための方法論として音楽理論は便利なツールじゃないのかな、とか私は思います。まぁ所詮作曲エアプの意見ですけど。