【音楽】名曲・名演セレクション その264 Gang of Four / Ether

 Gang of Fourの1stアルバム “Entertainment!” の1曲目。

 Gang of Fourは英にて1977年結成、ポストパンクを代表する4人組バンド。ポストパンクというと現在ではジャンルが拡張されまくってしまって正直よく分からんジャンル名になってるんですが、この “Entertainment!” はPublic Image LtdやJoy Divisionの1st辺りと共に、ポストパンクというジャンルを最初期に定義付けた作品だったかと思います。Dr. FeelgoodのWilko Johnsonから影響を受けたというAndy Gillの切れ味鋭いギターサウンド、ファンキーかつ土着的なリズム隊、そして冷めたヴォーカルが執拗に同じリズムを繰り返し、ヒプノティックな感覚をもたらすというこのサウンドの全体像、これは確かにそれまでのロックに無かったサウンドだったかと思います。Gang of Fourというバンド名は新聞で見つけた中国の「文化大革命四人組」から拝借したらしいのですが、そういうところからも伺える社会に対する冷めた視座もこのバンドの特徴ですかね。このGoFから影響を受けたミュージシャンは沢山おりまして、日本だと布袋寅泰は活動初期からその旨公言しており、2015年発表のGoFの9thアルバムに参加もしております。またRed Hot Chili PeppersのFleaもこの “Entertainment!” を聴いて自分のプレイスタイルを見出したと語っております (因みにRHCPの1stアルバムのプロデューサーはAndy Gillが務めたんですが、プロデューサーとしての腕はイマイチだったらしい)。ブラック・ミュージック界隈でも例えばPharrell WilliamsやFrank Oceanが影響を受けたと公にしてますね。という風にロック史のお勉強的に重要なアルバムでもあるんですが、単純に良い作品だと思うんで聴いてみて頂きたいと思う次第です。