【音楽】名曲・名演セレクション その198 Franz Ferdinand / Take Me Out

 今回は来月ベスト盤が出るFranz Ferdinandです。

 

 Franz Ferdinandの2ndシングル。1stアルバム ”Franz Ferdinand” 収録。勿論上に貼ったベスト盤にも収録予定。

 Franz Ferdinandは英Glasgow出身のロックバンド。バンド名は、第一次世界大戦の切っ掛けとなったサラエボ事件で暗殺された、オーストリアの皇太子の名前から。色々と下積み時代のあった人達なんですが、2001年に「女の子が踊れるような音楽を作る」というビジョンを掲げ結成。当時はポストパンク・リバイバルが盛り上がり始めていた時期でして、Franz Ferdinandもその文脈で注目を集め、この ‘Take Me Out’ が英シングルチャートで3位に入ると、続けて出された1stアルバムは世界的に大ヒットし総セールス400万枚を記録、グラミー賞ノミネートなど批評的にも大成功を収めました。正直あまり詳しくない人達の認識としては ‘Take Me Out’ の一発屋というのが正直なところかなと思いますが、2ndアルバム以降もコアなファン層からは高く評価されており、私の認識では玄人好みする渋いバンドというのが現状かなと思ってます。まぁでもそういう人達がベスト盤で聴き返したらまた印象変わったりしますからね。そういう意味でも来月のベスト盤は楽しみではあります。

 で ‘Take Me Out’ ですが、「女の子が踊れるような音楽を作る」という彼らのビジョンがまさに具現化した楽曲でないでしょうか。レトロな響きのギターリフがディスコ風のリズムに乗る、この強烈なまでのキャッチーさが、The Strokesなどと共に当時ダサいものになりかけていたロック音楽への女の子達の注目を再び集めるのに大きく貢献したように思います。テンポダウンのアレンジ、バンド全員で合わせるのは全員の息が合ってないとなかなか難しいように思います。スタジオテイクも一発録りだったらしいですし、下積み時代が長かったというエピソードに相応しく、これ見よがしにテクニックを誇示する事は無いけど、実は確かな演奏技術を持ったバンドなんでしょうね。その辺も玄人好みする理由かなと思います。