【音楽】名曲・名演セレクション その190 Peter Gabriel / Growing Up

 今回は今年よく聴いた楽曲・洋楽編なんですけど、今年は旧譜も全然買ってないし、正直これといってよく聴いた曲が無いんですよね。なんで、何回か記事にしようとしたけどしてなかったこの曲にします。記事にしようかなと思う度に聴き返してたのは事実。

 

 Peter Gabrielの2002年作 “Up” の2曲目。

 Peter Gabrielは英のミュージシャン。以下、日本独自呼称ですけどピーガブと書きます。プログレバンド、Genesisのフロントマンとして1969年にデビュー。優れた音楽性と共にピーガブの奇抜な仮装や演劇性を取り入れたステージングで注目を集めます。なんですけど1975年に音楽性及びプライベートな理由でグループを脱退。以降はソロを中心に活動しています。ソロではRobert Frippなど優れたミュージシャンを起用しプログレからの脱却を示すと共に、ワールド・ミュージックの導入も大きな特徴となっています。ピーガブのワールド・ミュージックへの傾倒は有名でして、1982年からWOMADという音楽フェスを主宰している他、1989年にはReal World Recordsを創設、様々なワールド・ミュージックのアーティストを世界に紹介しています。こういう風に純アーティスト的活動以外にも積極的に参加しているのがピーガブの特徴でして、人権・政治といった社会的活動にも色々と関わっています。あと、年を取る毎にどんどん寡作化してまして、今回紹介する “Up” が前作から10年ぶりのアルバム、でそこからオリジナルアルバムの発表は20年近く途絶えています。なんでもニューアルバムの製作は進めてるらしいんで、来年か再来年にはひょっとしたら聴けるかもしれないですね。

ピーター・ガブリエル 新ソロ・アルバムのリリースが近いことを示唆 オリジナル・アルバムは20年ぶり - amass

 という事で楽曲紹介に移ります。私、ピーガブのソロ作やGenesisiの作品も色々聴いたんですけど、この “Up” が一番好きなんですよね。当初の構想から8年掛かったらしいんですけど、それだけ掛けただけの鉄壁の完成度だと思います。是非良いヘッドホンで聴いてみて欲しいんですけど、ウワモノからビートに至るまで各サウンドが作り込まれてるんですよね。やたら音がカッコいい。あと巧みに出し入れされるサウンドには、当時Nine Inch Nailsを想起したりしました。NINが年取ったバージョンですね。当時Trent Reznorをリミックスに起用したりもしてたんで、満更興味が無い訳でもなかったと思うのですが。そしてピーガブの声、若い頃はかなりハイトーンだったんですが、私はこの年取ってしゃがれた声の方が好きなんですよね。多分私のピーガブとの出会いがこの “Up” だったのもあると思いますが。歌詞はとてもイマジネイティブですね。ちょっとセクシャルな含みも感じます。私正直高齢のアーティストって良い印象持ってないんですけど、ピーガブは良い枯れ方してると思うんですよね。この “Up” がとても良かったので、来るべき新作にも期待しております。

 

 昨年までは大晦日にアップした記事に、その年良かったアルバムのコーナーなど設けてたんですけど、今年は正直音楽全然買ってないしあまり聴き込めてないし、そういう記事を書くのは厳しいかなと思ってます。代わりにウマ娘の楽曲の記事とかにするつもり。定期更新は2日から、TMGE特集の続きとなる予定です。