【音楽】名曲・名演セレクション その141 特別編:The BirthdayのMV特集

 新年一発目だからという訳では無いのですが、今週の定期更新は特別編です。

The Birthdayが17本のMVを一挙フルサイズ公開、11月のツアーより「春雷」「ヒマワリ」ライブ映像も(動画あり) - 音楽ナタリー

 以前私も記事でケチを付けた事のあるThe BirthdayYouTube事情ですが、この正月に新たに多数のMVをフル公開という事で、それらを集めた特集を組んでみました。入れたい曲は多数あるのですが、絞りに絞って5曲です。あと昔からアップされてる曲の動画も入れました。画質音質が悪いというクレームは私でなくThe Birthdayの事務所などにお願いします。以下長くなるんでいったん切ります。

 

 

 まずはThe Birthdayのプロフィールなど簡単におさらい。バンド結成時のメンバーは

チバユウスケ (Vo. / Gt.)

イマイアキノブ (Gt.)

ヒライハルキ (Ba.)

クハラカズユキ (Dr.)

の4名。Thee Michelle Gun Elephant→Rossoと活動していたチバが、Rosso活動休止後、同じくRossoのメンバーだったイマイとまたバンドを組みたいという話になり、TMGEでもチバと活動を共にしたクハラは、チバと飲み屋でたまたま同席し、話してる内にメンバー加入が決定、元てるる…のヒライは、事務所のスタッフからの紹介が切っ掛け、というのがインタビューでチバなどが語った経緯だと記憶してます。イマイが2010年に脱退しその代わりに2011年に加入したのが元MY LITTLE LOVER

フジイケンジ (Gt.)

ですね。2006年結成なんで、今年で15周年になるんですね。そんな経ったか…。

 サウンドの特徴としては、チバの愛好するブルーズ、ロカビリー、パンクなどなど色々な影響を受けつつ、その総体としてはオールドスクールなロックンロールという感じです。と簡単にまとめてしまえばそうなるんですが、アルバム毎に色々とトライが感じられ、楽曲群に変化が感じられるのは、単なる古典芸能のR&Rではなく、現役の活きているバンドという感じですね。そういう意味では結構世界でも珍しいバンドな気がします。ブルーズに根差しているという意味では有名どころでJack Whiteとかいますが、Jackはそれらをモダンに刷新する意識が感じられる一方、The Birthdayはあまりそういうのが無い。あくまで自分達の興味を追及している感じ。チバの書く歌詞は時々現代性を感じさせたりするんですけどね。追記:珍しいというより、あまりメディアで話題になり辛いという方が正しいかもしれませんね。Stones大好きみたいなバンドとか、世界各地にいるんでしょうけど、The Birthday程売れてる感じのバンドと言われるとちょっと思いつかない。

  以下MVは時系列順に並べます。

 

  2ndシングル。1stアルバム“Rollers Romantics”収録。アルバムにこの曲含め穏やかなテンポの長めの尺の曲が多いのは、TMGE後期や第二期Rossoからの連続性を感じるところですね。しかし子供達と一緒に歌うチバ…TMGEの頃からすると隔世の感でありました。まぁ相変わらず強面ですけど。

 

  6thシングル。3rdアルバム“NIGHT ON FOOL”収録。私の意見ではこの3rdがイマイBirthday時代のベストアルバムですね。色々なトライがしっかりと結実しているのを感じます。シングル以外でも色々面白い曲がある。で‘涙がこぼれそう’ですが、こういう祝祭感のある楽曲はチバの歴史の中でも珍しいような。ライブでは「俺さ 今どこ?」の後、「ここは日本武道館、最終日だ!」みたいにチバが叫ぶのがお約束になっております。

 

  イマイからフジケンへの交代後初となる10thシングル。5thアルバム“I'M JUST A DOG”収録。重厚長大化しがちだったギタリスト交代前のサウンドを一気に刷新し、風が吹き抜けるような軽やかなロックンロールになりました。当時のインタビューによると、楽曲の無駄や冗長な部分ををガンガンカットしていくフジケンにバンド内で付けられたあだ名が「蓮舫」との事でした。チバの全ディスコグラフィーにおいても五指には確実に入る名曲でないでしょうか。

 とか偉そうな事書いてますけど、実は私この5thだけ持ってないんですよね。当時私史上最も金が無かったのと、イマイ時代への思い入れが強過ぎてギタリスト交代がなかなか受け入れられなかった。で後になってから欲しくなったんですが、初回限定盤はもう売り切れてて、転売野郎からじゃなく適正価格で買えないかなとか思ってたら、通常盤すら売り切れました。まぁ良いんですけどね…。

 

  11thシングル。6thアルバム“VISION”収録。ロックとロカビリーが合わさってROKAだそうです。シンプルな4コード循環を主体とする、これよこれこれ!という感じの痛快なロックンロールですね。2012年に発表された楽曲だというのを踏まえると、サビの歌詞の聴こえ方なんか違ってくるんじゃないかと思います。あと自立した少女のモチーフは上の‘なぜか今日は’から引き続きですね。

 

  17thシングル。9thアルバム“NOMAD”収録。現在進行中の話だしそもそも私1枚アルバム持ってないんですが、ポストフジケンでは私はこの9thアルバムが一番好きですね。重さと疾走感を兼ね備えたグルーヴで押しまくる前半と、シングル曲中心にじっくり聴かせる後半の対比が良いです。今回は泣く泣くオミットしましたけど、‘抱きしめたい’も凄く好きな曲です。

 でこの楽曲ですが、イントロのギターリフから漂う重厚かつサイケデリックな雰囲気にチバ流の「COSMIC」な歌詞が乗る事で、とても渋カッコいい大人のロックになっていると思います。「ザ・ビートルズも 言ってたらしいぜ」ってのは楽曲‘Rain’の事ですね。The Beatlesサイケデリック期への突入を示す隠れた名曲です。それにしてもチバの歌詞にこういう形で「バッハ」という言葉が入るのは意外ですね。幼少期はヴァイオリン弾いてたというのは有名な話ですが、今も結構クラシック音楽聴いてたりするんでしょうか?

 

 本当今回は泣く泣く5曲に絞ったという感じで、他にも名曲は沢山あるので、良ければご自分で色々聴いてみて下さい。例えば今の季節だったら‘くそったれの世界’とか沁みますよね。

The Birthday - YouTube