【音楽】名曲・名演セレクション その302 Stereolab / Cybele's Reverie

ステレオラブ 15年ぶりの新アルバム『Instant Holograms On Metal Film』発売 新曲MVあり - amass

 今回は15年ぶりの新作アルバムを5/23にリリースするStereolabです。

 

 4thアルバム “Emperor Tomato Ketchup” の2曲目。

 Stereolabは1990年に、McCarthyというバンドで活動していたTim Ganeと、フランス人ヴォーカルLætitia Sadierを中心として結成されたバンド。音楽性をどう説明するか…端的に書くとポストロックつう事になるかと思います。というかポストロックというジャンルは元々Stereolabなどのバンドに対して使われたらしい。今作の様にJohn McEntireをプロデューサーに迎えて構築された音響的美意識や、CanやNeu!といったクラウトロックの影響などは分かりやすく現在的な理解のポスト・ロックに通じるところかと思います。ただStereolabの音楽性はそれに留まるところではなく、'50~'60年代ポップスやジャズや映画音楽、アルバムによってはラテンミュージックやボサノヴァなど様々な影響を取り込んだレトロなサウンド (当時はモンドミュージックとも称されました) こそがStereolabシグネチャーでしょう。あとLætitia Sadierによるフランス語のヴォーカルですね。今回紹介する楽曲、Cybeleってのは古代ギリシア古代ローマで信仰された地母神キュベレーですね。モビルスーツではないと思います。日本盤の対訳も読んでみましたが、なんでキュベレーなのかイマイチ分からんかった。キュベレー信仰の儀式は性的に過激なものだったらしいですが、子供の頃の方が性的に自由だったとかそういう事ですかね。あとアルバムタイトル、 “Emperor Tomato Ketchup” は寺山修司の映画『トマトケチャップ皇帝』からとったものですね。その辺のチョイスにも彼らの文化的批評眼が現れているかと思います。