【音楽】名曲・名演セレクション その206 Japan / Ghosts

 という事で今回は6月に紙ジャケ再発があるらしいJapanです。

 

 Japanの最終作である5th “Tin Drum” の3曲目。

 JapanはDavid Sylvian (以下デビシル) を中心に1974年に結成された英のロックバンド。我々としては気になるバンド名ですが、何となく付けたらしいです。アイドル的な売り出しでデビュー当初は本国での人気はサッパリだったんですが、日本において10代女子を中心に人気爆発、初来日公演を武道館でやっております。日本ではデビシルのルックスがアイドル的な人気を呼んだらしいです。3rdアルバム以降、シンセサイザーの導入やデビシルの内省的な歌詞の低音ヴォーカルなど個性を確立すると共に本国でも評価を高め始め、今回御紹介する ‘Ghosts’ がバンド最高のヒットを記録するも、メンバー間の人間関係のこじれが原因で1982年に解散。ニュー・ウェーブのバンドとしては早発組ですね。そのシンセサイザーを使い倒した音楽スタイルやルックスが、後のニュー・ロマンティック勢や日本のヴィジュアル系に影響を与えてるかと思います。

 でさて、アルバム “Tin Drum” は中国をテーマにしたコンセプトアルバムでして、その中でも最も幽玄な方向に振れた楽曲が ‘Ghosts’  になります。まぁ良い曲ではあるんですが、よくこれシングルカットしましたね。当時のニュー・ウェーブの何でもあり感のなせる業なのかなとも思います。この曲で使い倒されているのが、シンセサイザーの歴史的名器であるProphet-5ですね。複雑な音色の作り込みは、交流のあった坂本龍一YMOからインスパイアされた面も大きかったのでないかと思います。内省的な世界観は後のデビシルのソロワークを予見させるものがありますね。あとこの楽曲はリズム隊抜きですけど、Japanはリズム隊のメンバーもとても優秀でして、良かったら他の楽曲も聴いてみて頂きたいです。