【音楽】名曲・名演セレクション その130 Pink Floyd / Time と【お知らせ】邦楽と洋楽交互に記事にするの止めます

 最初にお知らせです。大体シリーズの10回目くらいから邦楽と洋楽を基本交互に取り上げてきたのですが、いよいよ邦楽をピックアップするのが辛くなってきたので、この自分内ルールを撤廃しようと思います。できるだけ邦楽も取り上げよう、できれば引き続き半々で行こうとは思ってますが、良いの思い付かないなら無理して邦楽の曲を記事にするのは止めようという事です。宜しければ引き続きお付き合い下さい。

 

  Pink Floydの8thアルバム、"The Dark SIde of the Moon"の4曲目。

 Pink Floydプログレッシブ・ロックと呼ばれるジャンルをKing Crimsonと共に代表する英のロックバンドです。Floydの場合はCrimsonなんかと違って、高度な演奏を押し出していくというより(別に演奏が下手な訳では無いですよ。普通に上手い)、構築的、シネマティックなサウンドであったり、Roger Watersが手掛ける哲学的・社会的な歌詞やコンセプチュアルな世界観で勝負するバンドでした。活動初期にリーダーとして属していたSyd Barrettというメンバーが、ドラッグ中毒で精神を病んでグループを離れてしまったという負の歴史がバンドの魅力をより引き立たせたという、皮肉な一面もあります。

 でさてアルバム"The Dark Side of the Moon"、邦題『狂気』はThe Wallと並ぶFloydの代表作で、プログレッシブ・ロックというジャンルにおいても1つのピークと言えるのでないかと思います。売上的にもロック史に残る大ヒット作でして、推定ですが全世界で5,000万枚以上売れてるらしいです。邦題の通り人間の内面に潜む狂気をテーマにしたコンセプトアルバムでして、この曲'Time'とか'Money'とか、人間を狂気に追い込むものなどが楽曲で取り上げられています。勿論こういうテーマを掲げたのには先述したSyd Barrettの影響もあったのでしょう。サウンド面ではSE、効果音に凝りまくったアルバムとして有名でして、この'Time'のイントロの様に楽曲と結びついたSEが各所で施されています。今だったらDTMのソフトでチョイチョイですが、当時(アルバム発売が1973年)はまだサンプラーすらなかった時代ですからね。Alan Parsonsというエンジニアが頑張ってテープを切り貼りして、中には1曲分SEを作るのに一か月掛かったものもあるそうです。であとこのアルバムが売れた理由ですが、なんでも大麻をキメて聴くととてもハマるらしいんですよ。私は大麻は試した事無いですが、アルコールとの組み合わせは確かに良かったと記憶しております。…別に普通に聴いても面白いアルバムなんですけどね。

  でさて楽曲'Time'ですが、何と言ってもDavid Gilmourのギターソロでしょう。'Comfortably Numb'と共にロック史に残るギターソロの名演じゃないかと思いますが、私はこの'Time'のソロの方が好きです(というか正直'Comfortably Numb'の良さが分からない)。GIlmourといえばギターサウンド面での評価も非常に高く、恐らく最もギターサウンドが研究され模倣されているギタリストじゃないかと思います。エフェクターでもGilmourサウンドを目指したファズとかエコーとか、山のようにありますよね。でそのGilmourさんがこの'Time'で使った機材ですが、

Classic tone: Time |

 こんな感じらしいです。つかギターソロ、Fuzz Faceってマジですか。てっきりBig Muffだと思い込んでました。Gilmourサウンド→Big Muffというイメージだったので。

David Gilmour’s Big Muffs |

 こちらによるとレコーディングでMuffを使い始めたのは"Animals"かららしいです。という事は"Wish You Were Here"もまだFuzz Faceという事か。マジか…。私が良く聴くFloydってこの2作なので、私の思ってたGilmourサウンドってFuzz Faceだったんですね。思い返してみればThe Effector Bookか何かでもそういう記述を昔見たような気がします。という訳で今回は思い込みをそのままにせずちゃんと確認してみようという話でした。いやー、私的には今年最大のマジかよ案件でしたね。