【音楽】名曲・名演セレクション その102 John Cale / (I keep a) close watch (Live)

 今回の定期更新も昨年に引き続き時候ネタで行こうかと思ったんですが、選曲に苦戦いたしまして。バレンタインをテーマにした曲、邦楽でも意外と少ないですけど、洋楽なんてほぼ皆無じゃないかってくらい無いんですよね。チョコレート絡みとかならいくらかある感じでしたが。唯一思い付いたのがジャズスタンダードのMy Funny Valentineですね。ただこれも良い演者が思いつかなくて(当てが無い訳では無いのですが、正直もっと別の曲で取り上げたかった)。という訳で今回は普通にラブソングにしてみました。って記事書きあげて何なら一回ポストした後になってふと思いましたが、バレンタインに絡めてラブソングを紹介するなら女性の歌の方が良かったでしょうか。まぁ女性から一方的って日本独自らしいし、あんま気にしないで下さい。私がラブソングと言って思い付いたのが第一にこの歌だったんですよ。

 

 92年発表のライブアルバム、Fragments of a a Rainy Seasonの18曲目。私は2016年にボーナスディスク付きで再発した際のバージョンで持ってます。ただ現在は入手難しいみたいですね。うーん、良いアルバムなんですが。

 でさて、John Caleというと皆様御存知(でしょ?知らない方、詳しい説明はその内別の記事に書きますので)The Velvet Undergroundのオリジナルメンバーでございます。元々クラシック・現代音楽を学んできた人でしてVUでもアヴァンギャルド担当みたいな認識がメインかと思われます。確かにVUの2ndアルバム、White Light/White HeatはJohn Cale色が強く出たアルバムと言われていて、またJohn Cale脱退後のアルバム2作は過激度控え目になるのは事実ではあるんですが、ただJohn Caleはそういう過激な音楽家とばかり思っているとJohn Caleという人の才能を大きく見誤る事になるんじゃないかな。私も正直John Caleの作品をそこまで深く聴き込んでいるとは言えないんですが、彼のソロ作品は王道寄りから捻りを利かせたものまで様々な歌物、またはインストゥルメンタルまでとにかく多様でございます。そういう意味ではLou Reedも大概振れ幅の広かった音楽家でしたし、似た者同士だったんでしょうね。あとついでにJohn Caleはプロデューサーとしても有名作品を手掛けてます。例えばThe StoogesとPatti Smithのそれぞれ1stですね。

 でそのJohn Caleの作品の振れ幅の中で、最もシンプルな歌物に寄ったのがこのライブアルバムでないかと思います。Elvis Presleyや、そしてJeff Buckleyの元ネタとなったLeonard Cohenのカバーも含めて、彼のキャリアを通じての代表曲をピアノやギターの弾き語りでじっくりと聴かせてくれます。John Cale、良い声してるんですよね。今回は一曲しか取り上げませんが、できればアルバム全編聴いてみて頂きたいですね。

 曲についても簡単に触れておきます。オリジナルは75年発表のHelen of Troy収録。美しい。素晴らしい。以上。